What is Minority Color Sense?
少数色覚とは?

 

 

<おことわり>このページは今、わかりやすい説明に大幅変更工事中です。
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お答えします 色覚問題 Q&A

1  色覚異常や色盲などいろいろな言葉を聞くのですが、どの言葉を使用するべきなのですか?

2  色覚問題とは何ですか?

3  少数色覚について簡単に説明してください。

4  色がわからないのですか? どのように色が見えるのですか?

5  少数色覚の人はどれくらいいるのですか? なぜこのようなちがいがあるのですか?

6  少数色覚は治療で治るのですか? 色覚を矯正するメガネもあると聞きましたが?

7  石原式検査表とはどういうものですか?

8  色覚検査には、ほかにどんな検査方法があるのですか?

9  学校の健康診断の項目から、色覚検査が廃止されたと聞きましたが?

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色覚のちがい

わたしたちは、お日様などの光から明るさを感じます。
明るいと鮮やかに色彩を感じることができますが、暗いと色を感じることは難しくなります。
光というのは電磁波(電気が流れるところに発生するエネルギーの波)の一つです。
光は「何か」に当たって反射します。
それを目の奥にあるセンサー細胞(すいたい細胞といいます)が反応します。
多くのヒトは、すいたい細胞を3種類持っています。
3種類は、それぞれ強く反応する光が異なるため、それぞれからちがった信号が脳へ送られます。
脳は、その信号のちがいから「色」を作りだすのです。
これがわたしたちが色を感じる仕組みです。
生物により、すいたい細胞の種類の数や強く反応する波長も異なるため、ヒトが見ている色を他の生物が同じように感じているとは限りません。
色覚だけでなく、視野や視力も異なるため見え方は大きく異なります。
しかし、その見え方がそれぞれの生物にとって最適に調節されていると言えるのです。

 

色覚多様性

近年、ヒトや一部の霊長類に色覚の多様性があることが具体的に明らかになってきました。
基本的に3種類のすいたい細胞を持っているヒトの中には、
それが1種類や2種類の人もいます。色覚のタイプが一つではないのです。
新世界ザルに区分される霊長類にも同じような多様性があることがわかってきたのです。
ヒトに限って考えると、多くの人と異なり、
3種類だけど多数派とは異なった感度を持つ人(医学用語で「異常3色型」という)もあり、
2種類の人(同「2色型」)や1種類の人(同「1色型色覚」)、また最近は4色型も存在すると言われています。
霊長類の研究から、色覚の多様性には意味があると考えられるようになりました。
2色型、これはヒトではかつて「色盲」「色覚異常」と呼ばれてきました。
その存在の割合(男性の約5%、女性の0.2%)の多いことから、
「異常」という表現を問題視する声が多くありました。
また、白黒の世界にいるわけでもないのに「色盲」という表現に異議を唱える声もたくさんあったのです。
2色型色覚が3色型色覚よりも見分ける能力が鋭くなる状況や場面があることがわかりました。
多くの人(3色型)にも少数の人(2色型や異常3色型)より得意な部分があります。
それぞれに得意な部分があるということがわかったのです。
少数派の色覚は、けっして「劣っている色覚」ではないのです。

 

 

縛られた価値観からの解放

わたしたちは、少数派の色覚の持ち主は「異常だ」というとらえ方は間違っていると思いますし、
その表現を使うことは適切ではないだけでなく、
誤解や偏見を招く問題のある表現だととらえています。
少数派の色覚の持ち主は、多くの人にわかりやすい色表示がわかりにくいなどの不便な面が全くないわけではありません
(全くないと主張するくらいの違いしかない方もたくさんいますが)。
しかしそれは、多くの人を基準にした色づかいや色のネーミングなどによるもので、自然界の中で不都合があるわけではありません
(もし不都合があれば少数派の色覚を持つ個体が自然界で生きのびることはできないはずで、淘汰されていくのが自然の摂理だからです)。
かつて日本では、全国民に色覚検査をすることを義務づけていました。
97~98%の人にとってわかりやすく作られている検査表をもとに
「あんな簡単に読める検査表が読めないことは大変なこと」と思われてきました。
しかし、多数派を基準としたものが少数派に読めないものがあるのは当たり前のことなのです。
高い棚の上にあるものを手で下ろすのは、背の高い人が得意でしょう。
しかし、それだけの理由で背の高い人が優れているとはいえません。
低い所の作業は、背が低い人の方が得意なことだってあるはずです。
一つの尺度だけで優劣をきめてはいけないのです。
一つの尺度に縛られた価値観から解放され、色覚の多様性を正しく理解する必要があるのです。

 

 

少数色覚という表現

わたしたちは、色覚の違いに関する問題(色覚問題と称しています)は多数派・少数派という数に起因する問題が根本にあると考えています。
確かに「見え方」や「感じ方」にちがいはありますが、それが「困る」か「困らない」かは、
その色覚の持ち主に問題があるのではなく、わたしたちの社会のありように原因があるのではないでしょうか?
高いところに手が届かない人には、踏み台を持ってきたり、必要なものを代わり取ってあげたりすることがわたしたち人間にはできるのです。
正しい理解と助け合い協力し合うことで克服できるちがいが色覚多様性なのです。
それができるからこそ、霊長類の一部に色覚多様性が与えられている、そうわたしたちは考えたいと思っています。
わたしたちは、そういう思いを持って「少数色覚」「多数色覚」という表現を用いて色覚多様性を表現しています。

 

「はじめて色覚にであう本」巻末に掲載した分類表
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