「色覚障害」を正しく理解してもらおうと、県内の学校教諭らが中学・高校生向けの漫画「検査のまえによむ色覚の本」(B5判・16ページ)を作った。自身の障害に気付いていなかったり、誤解や偏見に悩むケースがあるため、どう向き合えばいいか科学的な視点を交え分かりやすく説明している。製作者は「誤った知識を基に進路を選択することがないよう、役立ててほしい」と話している。
 色覚障害の人は見分けにくい色があり、ほとんどが先天的。男性は20人に1人、女性は500人に1人とされている。
 漫画を作ったのは、教諭や元教員でつくるグループ「しきかく学習カラーメイト」(尾家(おいえ)宏昭代表=別府市青山中教諭)。希望者に色覚検査を促す近年の国や県の動きを受け、「受けてみよう」と思う子どもが増えることを想定した。
 色の見え方に悩む高校生が色覚を学ぶストーリー。障害ではなく「少数色覚者」という呼び方をして、原因となる色を識別する細胞のメカニズムを解説。見えやすいよう駅の案内や日用品などで配慮している事例を載せている。
 多くの人は日常生活に支障がないが、「白黒にしか見えない」「大学に進学できない」といった誤解も受けている。自衛官や航空管制官、海技士など一部の職業には就けない。
 そうした実情を踏まえて「正常か異常かに分けられるものじゃない。分かりやすい色使いや工夫をすれば、仕事で困ることはない」と強調。周囲にも正しい理解を求めている。
 当事者でもある尾家代表(59)は「検査で少数色覚者と分かったとしても、すぐに進路や将来に結び付けるのは反対。冷静な判断ができる知識を身に付けてほしい」と訴えている。
 26日に発売。1冊100円。同グループ(メールcolor-mate2017@orchid.plala.or.jp)のホームページから購入できる。

 

 

 

 26日、完成発表会
 漫画の完成発表会が26日午前10時から、大分市下郡の県教育会館である。誰でも参加できる。無料。
 色覚を巡る問題を取り上げたテレビ番組を上映。監修した九州大の平松千尋助教(視覚生理心理学)らが製作の経緯などを語る。先着150人には漫画と解説した手引を贈る。

 メモ:色覚障害の検査は学校の健康診断で必須項目だったが、法律の規則改正で2002年度以降は事実上廃止された。その後、子どもたちが進路選択の際、初めて自分の障害を知り戸惑うケースが出た。文部科学省は14年度から希望者が検査を受けられる体制を整備し、保護者に積極的な周知をするよう各都道府県教委に要望。大分県教委は市町村教委に通知している。